カポタストの使い方

ゆずなどの演奏をよく観察するとギターのネックに洗濯バサミみたいなものが挟んである時がありますよね。
いったい何の為に使っているんだろう…。って思った人も居るはずです。ギターの構造があやふやな人には不思議な光景に見えると思います。

そんな人にカポの使い方を説明したいと思います。

1.ギターの構造を知らない限りカポは使えない。

ギターの構造といっても簡単なことです。ギターのフレットは半音ずつ正確に打たれていると言うことを知っておきましょう。

2.音の関係を知らない限りカポは楽譜の通りにしか使えない。

楽譜にカポ2って書いてあるから仕方なくつけているという人もいると思います。カポは楽譜の為に発明されたんじゃないです。
そこでカポをもっと活用する為に音の関係を知っておきましょう。
僕の言っている音の関係とは簡単なことです。丸覚えでOKでなんで↓の事を覚えてみましょう。
【CC♯ DD♯ E FF♯ GG♯ AA♯ B C】
ドレミを♯入りで順番に詳しく並べただけです。ただこれだけを覚えてしまえばよいです。

以上のことを知っていればカポを使って色々なことが出来ます。

ここでカポを使って実際どんなことが出来るのか挙げてみます。
1.KEYを変える
2.コードを簡単に
3.二台のギターを使って音を豊かに

代表的なのはこの三つではないでしょうか。では一つずつ説明していきたいと思います。

先ずは1の説明。

これは説明の必要は無いと思いますがカポを挟むことで開放弦の音は挟んだフレット分だけ音が上がるのでKEYが変わると言う理屈です。
例えばKEYがCの曲をDにしたいときはカポを2フレット(2カポ)に挟めば出来上がりです。
何故Dになるってわかるのかというとさっき覚えてくださいと書いた音の関係を考えると一目瞭然だと思います。
因みにkey=Cで3カポではD♯になります。

次に2の説明。
コードを簡単にすると言う表現をしましたが唯コードを簡単にすれば良いって訳では無いです。
例えばFコードは弾けない人には大きな壁ですよね。当然カポを使ってどうにかして簡単にしたいと思うはずです。(僕は考えたことがあります)
そして思いついたのが1カポでEコードを弾けばFコードになる!!こんな事を考えた人は僕も含めていると思います。
でも少し考えてみてください。そうですFコードを簡単にする代償です。
例えばKey=Cの曲では頻繁にFコードは出てきます。この時に1カポで演奏して果たして簡単になったのか?ということです。
C−G−F−Am こんなコード進行があったとします。これを1カポでFコードを簡単にすると…
C♭−G♭−E-A♭mとこんなコードを押さえなくてはなりません、逆に難しいですよね。

上の例でもわかった通り下手にカポで簡単にすると逆に難しくなるということを頭にとどめて置いてください。
つまりカポを使ってコードを簡単にするのではなくコード進行を簡単にする。この考え方は大事です。

カポを使っての上手にコード進行を簡単にするには自分の得意のコード進行(Key)に変換するのが良いと思います。
僕なら先ずkeyをCに変える事を考えますね。それで違和感を感じるならGにします。それでも駄目ならDに変える事を考えます。(注意:これはメジャーkeyの場合です。)
なんだかんだ言ってkey=Cが一番簡単なコード進行になるんですよね、ということは最低限Fコードは弾けるようにならないとカポの活用は難しいです。

では3の説明に入りましょう。
これはゆずがよくこの方法をとっていますよね。カポを一人が付けると一見は二人とも違うコードを弾いていると思われがちですけど実際は二人とも同じ構成音のコードを弾いています。
別々のコードを弾いてコードがハモッて素敵なハーモニーが生まれる…と僕は以前考えた事がありますが現実には不協和音しか生まれません。
音の高さの違う同音でハモルことで素敵な伴奏が生まれるんですよね。

では具体例を。
一人が
C−G−F−C を弾くとします。もう一人は何カポでどんなコードで弾くと同じコードになるかを考える訳ですから。
3カポでやってみましょうか。すると
A−E−D−A となります。
何故こうなるのかというとこれもさっき書いた音の関係をみれば一目瞭然。カポで音を上げた分だけ弾くコードは音を下げなくていけません。

今度は5カポでも挑戦!すると
G−D−A-G になります。

考える手順をまとめたいと思います。
@先ずカポを何フレットにするか自分で決める(比較的簡単な押さえかたになるように考慮)
Aフレット分だけ押さえるコードの音を下げる(2カポ(
半音+半音)=1音(半音+半音)分コードを下げる)

@の補足。簡単なコードになるように考慮するには2カポ、4カポみたいに偶数カポでやると上手くいくときが多いです。
何故ならCからDの音の間隔を考えるとC C♯ D なのでCの音から半音+半音(1音)を足すとDになります。
カポはフレット毎に半音ずつ上がるので偶数カポにするとコードに♯などが付かない場合があるからです。
しかしEからFの音の間隔はE+半音=Fになるので注意が必要です。BからCの時も同じことが言えます。
この辺は習うより慣れるのが近道だと思うので色々とやってみて慣れてみてください。

こんな感じでしょうか。カポはただ音を上げる事しか出来ないので弾く側が頭を少し使わないとカポは楽譜の命令しか訊かなくなる理由がわかると思います。